運動の場所が使われない理由|挙がっているのは7つで、全部が入る前のこと
運動する場所が近くにあっても使われない、として挙がっている要因は7つ。どれも運動そのものではなく、その手前の段階の話だった
運動する場所のアクセスについて、国の身体活動・運動ガイド2023の別冊に1枚ぶんの記述があります。2ページのPDFで、まちづくりや職場環境をどう整えるかを扱う号です。今回はこれを取得し、場所や機会が使われない理由として何が挙がっているかを数えました。
この号は、個人に向けて書かれていない
冒頭の1文で、この資料が何を整理したものかが書かれています。
身体活動支援環境の整備を 4 つの取組に整理した。いずれか1つではなく、可能な限り全ての視点での取組が推奨される。
1ページ目の本文には、なぜ環境の側を扱うのかも書かれていました。
問題の解決には身体活動を高める個人の努力だけではなく、地域社会・職場・学校などの環境を変える必要もあります。
宛先は自治体や職場、学校の側です。この記事も、個人が何をすればよいかを書く資料としては読んでいません。
4つの取組は、2つの軸の組み合わせでできている
4つの取組は、ばらばらに並んでいるのではありませんでした。生活活動と運動という軸と、物理的環境と社会環境という軸の、2かける2で並んでいます。
- 生活活動 × 物理的環境 —— 都市計画、交通計画、都市・建築空間デザイン、職場環境の整備
- 生活活動 × 社会環境 —— 活動的な移動の推進、地域活動の活性化、高齢者の機会の増加、職場のポリシー
- 運動 × 物理的環境 —— 運動施設、遊歩道、公園、こどもの遊び場、保育園・幼稚園、自然環境
- 運動 × 社会環境 —— こどもの運動機会、スポーツの振興、運動プログラム、仲間・指導者、医療、アクセスの改善
資料はこの区分に「場所の整備」と「機会の創出、提供」という言い換えを添えています。場所と機会を別のものとして立てているのが、この号の作りです。番号の付いた節は6つで、最後の6番目は他部門との協働でした。
使われない理由として挙がっているのは、7つ
5番目の節に、場所や機会が充実していても使われないことがある、という段落があります。挙がっている要因を数えると7つでした。
運動場所や運動機会が充実していても、アクセスが悪いと活用されません。存在を知らない、交通手段がない、申し込み方法がわからない、時間が合わない、費用が高すぎる、参加条件が適さない、手続きが煩雑であるなど、参加を阻害する要因がないか検討し、既存の施設やプログラムを有効活用しましょう。
7つを並べ直すと、次のようになります。
- 存在を知らない
- 交通手段がない
- 申し込み方法がわからない
- 時間が合わない
- 費用が高すぎる
- 参加条件が適さない
- 手続きが煩雑である
7つとも、運動の中身の話ではありません。知る、行く、申し込む、支払う、条件を満たす——どれも、運動を始める前に置かれている段階です。運動が続かない・きつい・合わない、といった要因は、この7つには入っていませんでした。
新しく作る話より、既にあるものを確かめる話が先に来る
運動の場所を扱う4番目の節は、施設を整えましょうという記述が続いたあと、最後の丸印でこう書かれます。
新たな施設の建設は容易ではありません。既存の施設が多くの住民にとって「運動に適した場所」になっているかを確認し、整備しましょう。
7つの要因の段落と、この1文は同じ向きです。作る前に、あるものが使える状態かを確かめる、という順番になっています。通学の項にも同じ形の記述があり、スクールバスを導入すると通学での歩行量が減ることがある、と書かれていました。
数字がほとんど書かれていない号だった
当サイトは資料にある数を数えて並べていますが、この号には割合も人数も出てきません。数として出てくるのは、取組の区分が4つであること、2018年にWHOが行動計画を発表したこと、その計画が2018-2030という期間を持つこと、この3つだけでした。
同じガイドの他の号とは、書き方がはっきり違います。職場の号には研究の対象人数が書かれており、筋トレの号には実施している人の割合が書かれていました。この号は、何をすべきかの一覧であって、何がどれだけ起きているかの記録ではありません。
読み取れなかったこと
1ページ目の表は、版面どおりには読めませんでした。2かける2の表として組まれているため、抽出したテキストでは見出しと中身が離れた位置に並びます。4つの区分に何が入るかは項目の語から復元できましたが、どの項目がどのマスの何番目にあるかは、この読み方では決まりません。
WHOの行動計画のキーワードの行は、引用に使っていません。抽出したテキストで、英語の綴りの一部が合字(2文字が1文字に結合した記号)になっており、原文どおりに写せないためです。期間と発表年だけを本文から採りました。
参考文献3件には当たっていません。この号の参考文献は3件で、うち2件のリンクは別のドメインを経由する形になっていました。たどっていないので、中身については何も書けません。
この記事が扱っていないこと
- どの取組がよいかは書きません。資料自身が、いずれか1つではなく全ての視点での取組を推奨すると書いており、順位は付いていません
- 体のことは判断しません。この号には認知機能やQOLへの期待も書かれていますが、当サイトはその意味を書きません
- 施設や制度の実名は挙げません。7つの要因は資料の語のまま並べたもので、特定の場所の話ではありません。職場の側はデスクワークの座りすぎ対策は何が挙がっているか|27個中12個に事例が付くに書いています
この情報が、どこから来ているか
厚生労働省のサイトに置かれているPDFを、2026年9月19日に取得して読みました(2ページ。2ページとも本文が取れています)。公的機関の資料です。
PDFからの取り出しは2つの抽出器で行い、両方で取れた行だけを引用に使っています。両方で取れた行は208行、片方にしか無い行は0行でした。引用の中で行またぎになっていた文は、空白を詰めてつないでいます。
7つ・4つ・6つ・3件という数は、いずれも当サイトが数えた結果です。資料の側に「7つ」という数字は書かれていません。数えた範囲は、この2ページから取り出した本文です。
出典: 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」INFORMATION 7「身体活動支援環境について」(全2ページのPDF。2026年9月19日に取得)。公的機関の資料です。出典は1系統です。