運動する場所を作れば運動は増えるか|4つの取組のうち場所の整備は2つ

環境の整備は4つに整理されていました。場所を整えるものが2つ、機会を増やすものが2つです。

近所にジムができた、公園が新しくなった——それで運動が増えるのか。国の身体活動・運動ガイド2023には、環境の側を扱う別冊が1枚あります。そこでは、場所を作ることと機会を増やすことが、別の取組として分けて書かれていました。今回はその分け方を数えました。

冒頭に、4つであることと、1つでは足りないことが書かれている

1ページ目の先頭の1行です。

身体活動支援環境の整備を 4 つの取組に整理した。いずれか1つではなく、可能な限り全ての視点での取組が推奨される。

続けて、その4つが番号付きで並びます。名前を並べると、2つの軸が掛け合わさった形になっていました。

物理的環境の整備(場所の整備)社会環境の整備(機会の創出、提供)
生活活動1. 生活活動を促進する物理的環境の整備2. 生活活動を促進する社会的環境の整備
運動3. 運動を促進する物理的環境の整備4. 運動を促進する社会的環境の整備

場所の整備に当たるのは1と3の2つ、機会の側に当たるのは2と4の2つです。それぞれに、資料が1文で説明を付けています。1は「生活活動の場を整備する」、2は「生活活動の機会を増やす」、3は「運動を行う場所を整備する」、4は「運動する機会を増やす」でした。場所と機会が、同じ数だけ立っています。

「生活活動」は、運動を除いたもの

4つのうち2つに出てくる「生活活動」が何を指すかも、本文に書かれています。

生活活動とは、日常生活の中で実施される身体活動です(健康・体力の維持・増進を目的として、計画的・定期的に実施される「運動」を除きます)。家事で身体を動かすこと、通勤や通学で歩いたり、自転車に乗ったりすること、仕事中に身体を動かすこと、買い物で歩くこと、友人宅を訪問することなど、様々な形で実施されます。

運動を除く、と括弧で断ってあります。例として挙がっているのは家事・通勤通学・仕事中・買い物・友人宅の訪問で、数えると5つ、末尾に「など」が付いています。4つの取組のうち半分が、運動ではないほうの身体活動に向けられている形でした。

職場の欄に、設備の名前が7つ並んでいる

表の「職場環境の整備」の欄には、具体的な名前が並びます。

職場環境の整備:オフィスレイアウト、立ち机、立ち会議の設備、階段のデザイン、共用スペースのデザイン、自転車置き場、シャワールームなど

読点で区切って数えると7つで、末尾は「など」です。いっぽう、2ページ目の地の文にも職場の話が出てきます。

職場環境の整備も身体活動推進、座りすぎの予防に役立ちます。休憩場所やコピー機などの共用機器の配置の工夫、立ち机の導入、立ち会議の設備の導入などが挙げられます。

こちらは3つでした。表と地の文で重なっているのは、立ち机と立ち会議の設備の2つだけです。表にあって地の文に出てこないものが5つ(オフィスレイアウト・階段のデザイン・共用スペースのデザイン・自転車置き場・シャワールーム)、地の文にあって表に出てこないものが1つ(休憩場所やコピー機などの共用機器の配置)ありました。同じ1枚の中で、職場の例が2か所に分かれて書かれています。

職場は、機会の側の欄にも出てきます。こちらは設備ではなく決めごとの名前でした——組織のポリシー、勤務時間、職場主導の健康教室、インセンティブ、立ち会議の導入、階段利用の促進、座りすぎを避けることの推奨で、こちらも数えると7つ、末尾に「など」が付いています。立ち会議は、設備の側と決めごとの側の両方に名前が出ていました。

資料は、場所があっても使われないことにも触れている

場所を作る話と並んで、作ったあとのことも書かれています。

新たな施設の建設は容易ではありません。既存の施設が多くの住民にとって「運動に適した場所」になっているかを確認し、整備しましょう。

使われない側の要因は、別のところに一覧として挙がっています。そこに並ぶのは7つで、どれも運動を始める前の段階のことでした——そちらは運動の場所が使われない理由|挙がっているのは7つで、全部が入る前のことで数えています。今回の記事と同じ1枚を、別の箇所で見たものです。

最後の節では、この整備が1つの部門で完結しないことが書かれています。都市計画・教育・スポーツといった他領域との連携が欠かせない、という形で、2018年にWHOが出した行動計画の語が引かれていました。

「multiple opportunities, multiple benefits(複数の機会・複数のベネフィット)」

読み取れなかったこと

4つのうちどれが効くかは書かれていません。冒頭の1行は、いずれか1つではなく全ての視点での取組が推奨される、と書いているだけで、順位も、効果の大きさの比較もありません。この記事で数えたのは、並んでいるものの個数です。

表の中の語は、取り出した順序が崩れています。PDFから取り出した文字列では、表の4つの枠の中身が入り混じって並びます。今回は【 】で囲まれた小見出しと、行頭の記号で始まる項目の対応が本文側でも確かめられる範囲だけを数えました。どの語がどの枠に入っていたかを1つずつ復元してはいません。

参考文献3件のうち、2件のリンク先を開いていません。PDFに書かれているURLのうち2件は、資料本体のアドレスではなく、通信を中継する製品のアドレスになっていました。その先に何があるかは確かめていません。取り出しは2つの抽出器で行い、両方で取れた行は208行、片方にしか無い行は0行でした。

この記事が扱っていないこと

  1. 自治体や職場が何をすべきかは書きません。資料は「〜しましょう」という呼びかけの形で書かれていますが、当サイトはその呼びかけを数えるところまでです
  2. 製品は比べません。立ち机という名前は資料に出てきますが、どれを選ぶかは書きません
  3. 体のことは判断しません。環境と健康の関係についての記述はありますが、効果の大きさは扱いません
  4. 同じガイドの別の号は、この記事では読んでいません。職場の対策27個のほうは職場の座りすぎ対策は個人の努力か|27個中、能力(C)の記号が付くのは1個に書いています

この情報が、どこから来ているか

厚生労働省のサイトに置かれている全2ページのPDFを、2026年9月24日に取得して読みました。公的機関の資料です。

数え方を書いておきます。取組の4つは、冒頭に「1.」から「4.」の番号が振られているものを数えました。場所の側と機会の側の2つずつは、その名前に「物理的環境」「社会的環境」のどちらが入っているかで分けています。職場の設備7つと決めごと7つ、生活活動の例5つは、いずれも読点で区切られた数です。「など」で終わっている一覧なので、資料の側が数を閉じているわけではありません。

出典: 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」INFORMATION 7「身体活動支援環境について」(全2ページのPDF)。2026年9月24日に取得して読みました。同じPDFの別の箇所を数えた記事が1本あります。