在宅の机と椅子は何cmか|調整できることが先で65〜70cmは条件つき

椅子の高さは数ではなく「調整できること」が要件で、机の数には条件が付いていました。

机は何センチ、椅子は何センチ。そう探すと数字が出てきます。ただ、もとの文書を読むと、数より先に置かれている条件がありました。

先に、この数が誰に向けて決められたものかを書きます

この記事で引く文書は、自宅の机に向けて書かれたものではありません。厚生労働省のテレワークのガイドラインに、次の一文があります。

「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日基発0712第3号)は一般には適用されないが、安全衛生に配慮したテレワークが実施されるよう、これらの衛生基準と同等の作業環境となるよう

主語は事業者で、自宅で作業する個人に国が定めたものではありません。この記事は、その文書が何をどう書いているかを数えるところまでを扱います。

椅子の要件は5つで、高さは「調整できること」

情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインは、椅子に5つの要件を並べています。

(イ)安定しており、かつ、容易に移動できること。
(ロ)床からの座面の高さは、作業者の体形に合わせて、適切な状態に調整できること。
(ハ)複数の作業者が交替で同一の椅子を使用する場合には、高さの調整が容易であり、調整中に座面が落下しない構造であること。
(ニ)適当な背もたれを有していること。また、背もたれは、傾きを調整できることが望ましい。
(ホ)必要に応じて適当な長さの肘掛けを有していること。

5つのうち、座面の高さについて書かれているのは「何cm」ではありません。「作業者の体形に合わせて、適切な状態に調整できること」です。数ではなく、調整できるかどうかが要件になっています。

机の数は、条件と理由ごと書かれている

いっぽう机のほうには、数が出てきます。ただし条件が付いています。

(ハ)のaで、高さ調整ができない机又は作業台を使用する場合は、床からの高さはおおむね 65cm~70cm 程度のものを用いることが望ましい。65cm 及び 70cm がそれぞれ女性及び男性が使用する場合に必要な高さのほぼ平均値となるためである。

条件は「高さ調整ができない机又は作業台を使用する場合」です。調整できる机には、この数は当てられていません。そして理由まで書かれています——65cm と 70cm は、それぞれ女性・男性が使用する場合に必要な高さの「ほぼ平均値」。

つまり 65〜70cm は正しい高さとして示された数ではなく、調整できない机を選ぶときに平均へ寄せるための目安です。身長から高さを出す式は、この文書には書かれていません。

椅子で足りないときに名前が出るもの

椅子の調整範囲で調整できない場合については、フットレストの利用等必要に応じて対応することが望ましい。

条件は「椅子の調整範囲で調整できない場合」で、ここでも「必要に応じて」が付いています。

姿勢のほうにも数がある

デスクトップ型パソコンで好ましいとされている作業姿勢は、ディスプレイの上端が眼の位置より下になるようにし、視距離は 40cm 以上確保すること。上腕と前腕の角度は 90 度以上で、キーボードに自然に手が届くようにする、とされている。

上腕と前腕は 90 度以上。5つ・65〜70・90 という数は、当サイトが数えた結果です。

いまの机で確かめる

ここで数えた条件を含めて、いまの机を1つずつ確認できるツールを置いています。

在宅デスク環境を確かめる →

この記事が扱っていないこと

  1. 身長から高さを出す式は書きません。出典にその式はなく、当サイトが作ることもしません
  2. 製品は選びません。フットレストは出典が名前を出しているものですが、当サイトが商品を比べたり順位を付けたりすることはしません
  3. 何時間座ってよいかは扱いません。連続作業時間と休止は、距離と休憩の記事で数えています

この情報が、どこから来ているか

出典: 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日 基発0712第3号・全33ページのPDF)、「事務所衛生基準規則」(昭和47年労働省令第43号・厚生労働省 法令等データベース)、「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(令和3年3月25日・全20ページのPDF。前置きの引用のみ)。いずれも2026年9月22日に取得して読みました。引用のうち頁またぎになっていた文は、空白を詰めてつないでいます。