在宅の部屋の温度と湿度|事務所の基準は18〜28度と40〜70%
事務所の決まりにある18〜28度・40〜70%は、空気調和設備を設けている場合に、事業者が「努める」数でした。
在宅勤務の部屋は何度にすればいいのか。調べると、事務所の基準として18度から28度という数が出てきます。もとの条文を読むと、この数には条件が2つ付いていました。今回は、温度と湿度にかかわる条文を数えました。
先に、この決まりが誰に向けたものかを書きます
この記事で引く法令は、自宅の部屋に向けて書かれたものではありません。厚生労働省のテレワークのガイドラインに、次の一文があります。
事務所衛生基準規則(昭和47年労働省令第43号)、労働安全衛生規則(一部、労働者を就業させる建設物その他の作業場に係る規定)及び「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日基発0712第3号)は一般には適用されないが、安全衛生に配慮したテレワークが実施されるよう、これらの衛生基準と同等の作業環境となるよう
主語は事業者で、自宅で作業する個人に国が定めたものではありません。この記事は、条文が何をどう書いているかを数えるところまでを扱います。
18〜28度と40〜70%には、条件が2つ
事務所衛生基準規則の第五条の3項です。
3 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十八度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない。
条件の1つ目は「空気調和設備を設けている場合」です。2つ目は文の終わりで、「努めなければならない」でした。同じ条の1項・2項が「しなければならない」で終わっているのと、言い方が違います。
空気調和設備が何かは、同じ条の1項に書かれています。
空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。)
10度以下なら暖房、冷房は外より著しく低くしない
温度そのものの条は、第四条です。
第四条 事業者は、室の気温が十度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
2 事業者は、室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りでない。
暖房の側は10度という数があり、冷房の側は外の気温との比べ方で書かれていました。「著しく」が何度差かは、条文には書かれていません。
気流は0.5メートル毎秒以下
第五条の2項には、風の当たり方の決まりもあります。
2 事業者は、前項の設備により室に流入する空気が、特定の労働者に直接、継続して及ばないようにし、かつ、室の気流を〇・五メートル毎秒以下としなければならない。
エアコンの風が同じ人に当たり続けないように、という書き方です。こちらは「しなければならない」で終わっています。
テレワークのチェックリストに、温度の数はない
同じテレワークのガイドラインには、自宅の作業環境を本人が確かめるチェックリストが付いています。温湿度の項目は、何度にするかではなく、調整できるかを尋ねていました。
作業に適した温湿度への調整のために、冷房、暖房、通風等の適当な措置を講ずることができるか。
自宅の側のリストは数を置かず、事務所の側の条文は数を置いている、という違いでした。
いまの机で確かめる
机まわりの条件を1つずつ確認できるツールを置いています。温度と湿度は、ツールの8つの条件には入っていません。ツールで確かめられるのは、定規・手・時計・目で測れる条件です。
読み取れなかったこと
自宅で何度にすべきかは、この条文からは決まりません。上に引いたとおり、この規則は自宅には一般には適用されません。
第五条の末尾には「(平一六厚労令七〇・令四厚労令二九・一部改正)」という改正の注記があります。いつ何が変わったのかは、この頁には書かれていませんでした。
この記事が扱っていないこと
- 自宅が基準を満たすべきだとは書きません。上に引いたとおり、この規則は一般には適用されません
- 冷暖房器具や温湿度計の製品は比べません。条文に製品の名前は出てきません
- 体調の判断はしません。暑さや寒さと体の関係は、この条文には書かれていません
この情報が、どこから来ているか
出典は2系統です。厚生労働省の法令等データベースにある事務所衛生基準規則と、テレワークのガイドライン(全20ページのPDF)を、2026年9月24日に取得して読みました。公的機関の資料です。
数え方を書いておきます。条件の2つは、第五条3項の「空気調和設備を設けている場合」と「努めなければならない」です。
出典: 「事務所衛生基準規則」(昭和47年労働省令第43号・厚生労働省 法令等データベース)、厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(全20ページのPDF。前置きの引用と別紙2)。いずれも2026年9月24日に取得して読みました。