ノロウイルスの加熱による失活|厚労省は中心部85〜90℃・90秒以上と書く
厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」は、Q15で、食品の加熱の条件を書いていました。二枚貝などの食品は、中心部の温度と時間の組で示されています。そのすぐ後に、その数には正確な根拠がまだ無い、という但し書きも付いていました。
冬に牡蠣やあさりを料理する時、「よく火を通す」とはどのくらいなのか。それを知りたくて、前に吐いた物の片付け(Q20)と布団の洗濯(Q21)を読んだのと同じQ&Aを開きました。この記事では、食品の加熱を扱ったQ15と、その前のQ14を読みます。
加熱は「中心部まで」
Q14は、ノロウイルス食中毒の予防方法を問う問です。答えは、二次汚染の防止と並べて、加熱を挙げていました。
特に子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要です。
言葉は「表面」ではなく「中心部」です。具体的な方法はQ15からQ18のとおり、と続いていました。
二枚貝などは、中心部85℃~90℃で90秒以上
Q15の問は、食品中のウイルスの活性を失わせるにはどう加熱すればよいか、です。答えは、ウイルスは一般に熱に弱く、加熱処理は活性を失わせる(失活化)有効な手段だ、という説明から始まります。そのうえで、条件がこう書かれていました。
ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。
温度は幅で、時間は「以上」で書かれています。「沸騰させる」ではなく、食品の中心部の温度と、その温度を保つ時間の組です。語尾は「望まれます」でした。
答えの後の参考には、同じ組の条件の出どころとして、コーデックス委員会が2012年に定めたガイドラインが挙げられていました。二枚貝の加熱調理について、中心部が85~90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要とされている、という紹介です。
正確な数値は、まだ無い
同じ答えの2段落目は、条件の数そのものに但し書きを付けていました。
ノロウイルスの失活化に必要な加熱条件については、現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値はありません。
代わりに引かれているのは、同じようなウイルス(A型肝炎ウイルス)の条件です。85℃以上で1分間以上の加熱を行えば感染性は失活するとされている、とありました。
さらに、失活化は温度と時間だけでは決まらず、ウイルス粒子の数や、ウイルスが在る環境(乾燥か液体か、有機物の多さ、pHなど)にも影響を受けると続きます。食品の中のウイルスはタンパク質で保護されているため、より厳しい加熱条件が必要とされている、というのが段落の結びでした。
調理器具は熱湯で1分以上
食品ではなく、まな板や包丁などの調理器具については、Q17に熱の条件がありました。まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は、熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効、という書き方です。二枚貝などを扱う時は、専用の調理器具を使うか、使う度に洗浄・消毒するなどして、他の食材への二次汚染を防ぐよう気をつける、とも書かれていました。
読み取れなかったこと
家庭の台所で、食品の中心部が85℃に届いたかをどう確かめるかは、Q15には書かれていません。電子レンジや鍋の種類、牡蠣・あさりといった貝の名前ごとの加熱時間も、答えには出てきませんでした。
「二枚貝など」の「など」にどの食品が入るかも、Q15からは読めませんでした。
この記事が扱っていないこと
- 症状・治療・検査・感染経路の問は扱いません。体のことは医療機関や頁の該当の問で確かめてください
- 吐いた物の床の片付け(Q20)はノロウイルスの吐いた物の片付け方で、布団などの洗濯(Q21)はノロウイルスが付いた布団や衣類で読みました。手洗い(Q16)・食品取扱者の衛生管理(Q18)の問は扱いません
- Q17の亜塩素酸水の濃度の数は写していません。加熱調理の器具や食品の銘柄も比べません。当サイトは商品を選びません
この情報が、どこから来ているか
引いたのは、厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」のQ14・Q15の答えと参考、Q17の答えです。数(85℃~90℃・90秒以上・85℃以上で1分間以上・熱湯85℃以上で1分以上)も同じ頁からです。引用は頁の文をそのまま写し、数は1文に1つの組ずつ地の文で引きました。
出典:厚生労働省ホームページ(ノロウイルスに関するQ&A)。2026年10月13日に取得して読みました。
この記事は、上の資料をもとに、カルットが要約して作成しました。引用の部分は資料の文のままです。