L型金具で家具を固定する先|東京消防庁の資料は柱・間柱・胴縁と書く

L型金具で家具を留めるとき、ネジを効かせる相手は「壁」ではなく、壁の下地でした。東京消防庁の資料は、その相手を柱・間柱・胴縁等と名指ししています。

同じ資料は、器具の効果を比べて「家具をL型金具などで壁に直接ネジ固定する方法が最も効果が高い。」と書いています。では、その「壁」のどこにネジを打つのか。「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」(令和6年1月)の家庭用家具の節(13〜14ページ)を、その問いで読みました。

固定する対象は、壁下地の柱・間柱・胴縁等

転倒・落下・移動防止対策の基本は、ネジによる固定です。その場合、家具を固定する対象は、壁下地の柱、間柱、胴縁等とします。

節の最初の2文です。挙がっている相手は3つ(柱・間柱・胴縁)で、末尾に「等」が付いています。図の脇の説明も、同じことを言い直しています。

壁にL型金具を用いて固定するには、間柱など壁の下地材に取り付けることが大切です。

器具の一覧の表でも、L型金具の欄には「壁に強度が必要」と添えられていました。巻末の家庭内チェックリストの9番も、同じ向きの問いです。

L型金具を使用する場合は、壁の下地材(間柱など)や柱など、強度がある部分に固定している。

間柱の位置は、3つの道具で見つける

下地材は壁の中にあるので、見えません。資料は探し方を1文で挙げています。

下地材の位置は、下地探知用センサー等の機器、市販の専用プッシュピンといった器具、音による打診により判断できます。

図の説明には、センサーの使い方も1行ありました。

下地探知センサーは、間柱の端を見つけるものです。

続けて「両側から探知し」と書かれています。見つけるのは間柱の「端」で、中心ではありません。両側から当てる理由は書かれていませんが、端を2つ見つければ幅が分かる、という並びです(ここは当サイトの読み)。

ネジは長めを、頭まで

木ネジは長めのものを使用し、ネジ頭までしっかりねじ込みます。

次のページにも、金具をネジ止めするときは長めの木ネジを使う、という文がもう一度出てきます。「長め」は2回書かれていますが、何ミリかは2回とも書かれていません。

家具の天板が弱いときは、板を渡してから

固定する相手は壁の側だけではありません。金具を受ける家具の側にも条件が書かれています。

家具の天板の後ろ側にしっかりとした桟の入っていないものは、家具の幅全体に板を渡しネジ止めしてから金具を取付けます。

図には、渡す板の厚さとして12mm 以上という書き込みがあります。家庭用家具の壁への固定の段(13〜14ページ)で、寸法の数字が出てくるのはこの1か所だけでした。(図の中の文字なので、引用の形にはしていません。)

付け鴨居は、強度が確かめられたら

付け鴨居は、強度が確認された場合、これに固定することが可能です。

次のページで、確かめる理由が説明されています。

従来の木造住宅は、真壁構造が多く、付け鴨居は構造部材の一つで強度がありますが、最近の木造住宅は大壁構造となっており、付け鴨居は石膏ボードに接着されているものが多くなっています。

同じ「付け鴨居」でも、家の造りで強度が違う、という書き方です。石膏ボードに接着されている場合の手順も書かれています。

付け鴨居等が石膏ボードに接着剤で付けられている構造の場合は、付け鴨居等を間柱等に木ネジで止めた上で対策器具を取り付けます。

行き着く先は、ここでも間柱です。チェックリストの14番も、接着されているだけの付け鴨居は補強したうえで器具を取り付けているか、を問う項目でした。

コンクリートの壁は、オフィスの節に1段だけ

マンションのように下地がコンクリートの壁については、家庭用家具の節ではなく、オフィス家具の節(28ページ)に書かれていました。

石膏ボードやビニールクロスが仕上材として張られている場合、その下地に強度のしっかりとしたコンクリート壁があれば、コンクリート壁に達するようにアンカーボルトを打ち込み固定します。

ただし、石膏ボードとコンクリートの間に断熱材や接着剤が入っている壁(資料の呼び方で S1壁・GL壁)があり、アンカーボルトの大きさはその空間を考えて選ぶ必要がある、と続きます。そのため資料は、専門家に相談して施工することを勧めています。オフィス向けの段なので、家庭の家具にそのまま当てはめてよいかは書かれていません。

読み取れなかったこと

木ネジの「長め」が何ミリか、何本打つかは、書かれていません。L型金具を何個使うか、家具の幅に対してどこに付けるかも、この節には数がありませんでした。

付け鴨居の強度をどうやって確かめるかも書かれていません。「強度が確認された場合」とあるだけで、確かめ方の手順はこの資料の外です。賃貸で壁にネジを打ってよいかは、この資料が扱う話ではありません。

この記事が扱っていないこと

  1. 器具や工具の商品名は挙げません。当サイトは商品を選びません
  2. ネジを打てない場合の方法は、別の記事にあります。穴を開けずに家具を固定する方法|器具を2つ以上組み合わせる(同じ資料の質問8)
  3. テレビ・冷蔵庫・電子レンジの固定は、同じ資料の家電の節です。テレビの地震対策|留める相手はテレビ台と、床か壁の2段になるほか、家電ごとに分けて書いています

この情報が、どこから来ているか

引用は、PDF から取り出した文字のうち、2つ以上の抽出器で同じ文字が取れた行だけを使っています。図の中の書き込み(12mm 以上・ドライバー等で打診)は、引用の形にせず地の文で触れました。

出典: 東京消防庁防災部震災対策課「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック —地震から命を守る家具転対策—」(令和6年1月・PDF 全44ページ)の10・12〜14・28ページと巻末のチェックリスト。2026年9月30日に取得して読みました。当サイトの家具対策の記事は、いずれもこの同じ資料に依拠しています。出典は1系統です。