2匹を同じケージで飼うときの広さ|国の基準は面積の合計と高い方の体高

環境省の解説書は、2匹以上を同じケージで飼うとき、1匹ずつの広さを足した面積と、いちばん体高の高い1匹に合わせた高さを求めていました。これは、ペットの販売や保管などを業として行う動物取扱業者に向けた基準です。

犬や猫を2匹、同じケージで飼うとき、広さはどう数えればよいのか。環境省の動物取扱業者向けの省令と、その解説書には、複数で飼うときの足し方が書かれています。1匹用の広さを2倍にする、という単純な書き方ではありませんでした。今回は、ケージの使い方ごとに足し方を並べました。

先に: 業者に向けた基準で、家庭向けの数は無い

省令の題名は、第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令です。この記事は、業者に向けた基準の数と足し方を並べるところまでです。家庭で飼う人に向けた国の告示には、ケージの広さの数が無いことを、家で飼う犬猫のケージの広さに国の基準はあるかの記事にまとめています。

寝床のケージ: 広さは足して、高さは高い方

寝床や休息の場所に使うケージ(運動スペース分離型)について、解説書はこう書いています。

複数飼養する場合:各個体に対する上記の広さの合計面積と最も体高が高い個体に対する上記の高さを確保。

1匹あたりの広さは、縦が体長の2倍以上、横が体長の1.5倍以上です。2匹なら、この広さを1匹ずつ出して足した面積が要る、という書き方でした。高さは足さず、いちばん体高の高い1匹に合わせます。省令の猫の条文も、高さについてこう書いています。

(複数の猫を同一のケージ等で飼養又は保管する場合にあっては、これらの猫のうち最も体高が高い猫の体高の三倍以上)

平飼い: 1頭あたりは半分の床面積

ケージと運動の場所を一体にする飼い方(運動スペース一体型)では、足し方が変わります。犬についての行はこうです。

複数飼養する場合:床面積(分離型ケージサイズの3倍以上×頭数分)と最も体高が高い犬の体高の2倍以上を確保。

猫は「床面積(分離型ケージサイズの面積以上×頭数分)」でした。1頭で飼うときの床面積は、犬が分離型の6倍以上、猫が2倍以上です。複数で飼うと、1頭あたりの床面積は、その半分になっていました。理由は、解説書の説明にあります。

複数飼養する場合は、運動スペースを共有できることから、1頭当たりはこの2分の1の床面積(犬は分離型の3倍、猫は分離型相当分の床面積)と、最も体高が高い個体に対する高さ(犬は体高の2倍、猫は体高の4倍以上)が基準となる。

ただし、いちばん体長の長い1頭については、1頭で飼うときの床面積(犬は分離型の6倍、猫は2倍以上)を満たしている必要がある、とも書かれています。

図の例: 体長30cmの犬は、2頭まで同じ床

解説書の図表4には、体長30cmの犬の例が描かれています。図の数は、当サイトが版面を目で見て読み取ったものです。1〜2頭の枠は90cm×180cmで、3頭目には、1頭あたり分離型ケージの3倍以上の床面積を足す、と添えられていました。猫の例(体長・体高30cm・1頭)は、床が90cm×60cm、高さが120cmです。

1頭で飼うときの6倍と、2頭で飼うときの3倍×2頭が、同じ広さになっていました。

親子は1頭分

親とその子犬・子猫だけを同じケージで飼う場合は、平飼いに限って、子は頭数に数えない、とされています。解説書は、この扱いは親とその子だけを飼う場合に限られ、親子以外の個体の同居は不可、と書いていました。分離型では、親と同居していても、子について1頭当たりの広さを出し、その合計面積を確保する必要がある、とされています。

数のほかに: 組み合わせを考える

省令には、広さの数とは別に、複数で飼うときの条もあります。

異種又は複数の動物の飼養又は保管をする場合には、ケージ等の構造若しくは配置又は同一のケージ等内に入れる動物の組合せを考慮し、過度な動物間の闘争等が発生することを避けること。

広さが足りていても、組み合わせを考えることが別に書かれていました。

足し方を並べる

使い方1頭のとき2頭以上のとき
寝床のケージ(分離型)・犬猫縦 体長の2倍・横 1.5倍・高さ(犬2倍/猫3倍)1頭ずつの広さの合計・高さはいちばん体高の高い1頭
平飼い(一体型)・犬床面積 分離型の6倍・高さ 体高の2倍床面積 分離型の3倍×頭数・高さはいちばん体高の高い1頭の2倍
平飼い(一体型)・猫床面積 分離型の2倍・高さ 体高の4倍床面積 分離型の1倍×頭数・高さはいちばん体高の高い1頭の4倍

2倍・1.5倍・3倍・6倍・4倍は解説書と省令に書かれている数で、図の90・180・60・120は当サイトが図から読み取った数です。

2匹の広さを出す手順

解説書の足し方を、寝床のケージで順に並べると、こうなります。

  1. 1匹ずつ、体長と体高を測る(体長は胸骨端から坐骨端まで、体高は地面からき甲部まで)
  2. 1匹ずつ、縦(体長の2倍)×横(体長の1.5倍)の広さを出す
  3. 2匹の広さを足す
  4. 高さは、体高の高い方の1匹で決める(犬は2倍、猫は3倍)

1匹ずつ測って並べる

犬か猫かを選び、体長・体高とケージの内側を入れると、環境省の省令にある2つの線と、辺ごとに並べて出すツールを置いています。1頭ずつ入れる作りなので、2匹なら1匹ずつ入れて、広さを足します。

犬猫のケージの広さを、体長と体高で測る →

読み取れなかったこと

犬と猫を同じケージで飼う場合の広さの足し方は、解説書にも省令にも書かれていません。省令にあるのは、異種または複数の動物を飼うときに組合せを考慮する、という書き方でした。

家庭で2匹を飼うときの広さの数も、国の資料には見当たりませんでした。家庭向けの告示には、ケージの広さの数が無いためです。

この記事が扱っていないこと

  1. 家庭での飼い方の良し悪しは決めません。ここにある数は、業者に向けた基準です
  2. ケージやサークルの製品は比べません
  3. 動物の体調や相性は扱いません

この情報が、どこから来ているか

出典: 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」の「3 基準の解説」のうち「1.飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項」(PDF)と、「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」(令和三年環境省令第七号・e-Gov 法令検索)。いずれも2026年10月2日に取得して読みました。

この記事は、上の2つの資料をもとに、カルットが要約して作成しました。引用の部分は資料の文のままです。