観葉植物の葉が黄色いとき、下から順なら不調ではないかもしれない

葉が黄色くなると、何かを間違えたのだと思います。ただ、黄色くなり方によっては、異常ではない場合があるという記述があります。

この記事で扱うのは次の2つです。

下から順に黄色いなら、休眠のサインかもしれない

NHK出版「みんなの趣味の園芸」の記事に、次の記述があります。

葉(古葉)が下からだんだん黄色くなってきたときは、環境に適応できていないわけではなく、室温が低いため休眠状態に入ったことも考えられます。室内の最低温度が10℃以下になるなら、休眠の可能性が大きいでしょう。その場合は、そのまま落葉させて、水やりや施肥を控え、春まで休眠させましょう。

ここで挙がっている条件は2つです。下の古い葉から順にであること、そして室内の最低温度が10℃以下であること。この2つが揃うなら、対処は「何かを足す」ではなく「控える」側になります。

肥料についても同じ向きです。冬は休眠期にあたるため、一般的に肥料は与えないとされています(観葉植物に肥料をやる時期は、気温で決まる)。

そうでないなら、まず光と風

同じ記事は、休眠の前に確認することを2つ挙げています。

チェックポイント1 光が足りない? 対処法:不調の原因として最も多いのが光不足。そこで、まずは置き場を、窓際などの明るい場所に変えるか、60W相当以上のLED電球を1mの距離から当てましょう。

チェックポイント2 風が足りない? 対処法:次に考えられるのは、置き場が部屋のコーナーなどのため、空気が動かずよどんでいるのでは? ということ。部屋の真ん中や窓の近くなど、風が通る場所へ移動させてみます。

「最も多いのが光不足」と言い切っている点が目を引きます。ただし、光を足すことと直射日光に当てることは別です。この違いは観葉植物、日当たりが悪い部屋でも育つのかに書いています。

風のほうは、逆に「当たりすぎ」も問題になります。「エアコンの風が直接当たらないように」と書いていたのは、シダ植物の記事だったで扱っているのは、その反対側です。

この出典は「購入後2〜3週間」までしか答えていない

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。上の3つのチェックには、記事自身が次の但し書きを付けています。

※このレスキュー術は、購入後2~3週間の対処法です。それ以降の場合は、さまざまな要因が重なるので、専門店などに相談を。

出典が、自分で線を引いています。「光・風・休眠の3つを見れば分かる」のは、迎えてから2〜3週間のあいだの話であって、それ以降は要因が重なる——と書いてあります。

迎えた直後の2週間に何をして何をしないかは、買ってきたばかりの観葉植物、最初の2週間は植え替えないに書いています。同じ時期の話です。

そして「葉が黄色い」で調べている人の多くは、おそらく2〜3週間を過ぎています。その場合、この3つのチェックは出発点にはなっても、答えにはなりません。

2〜3週間を過ぎている場合に、一つだけ言えること

期間の限定がない記述としては、根腐れの症状についてのものがあります。

根腐れが進行すると、いくつかの症状が現れます。もともとは硬かった幹が弱って折れやすくなり、葉は黄色く変色し、ハリを失います。……根腐れを起こすと根が水を吸い上げられなくなるため、葉に元気がないなど一見水不足のような症状が現れます。そのため水不足と誤解し、さらに水を多く与えてますます弱らせてしまうことがあるので注意しましょう。

注意したいのは、水不足に見えるのに、実際は水が多すぎるという場合があるという指摘です。良かれと思って水を足すと、悪化させることになります。

ただし、これはパキラについて書かれた記事です。観葉植物一般の記述として読むことはできません。根腐れが疑われる場合の対処は観葉植物の根腐れ、気温によって対処法が変わるに書いています(気温によって手順が変わります)。

この記事が答えていないこと

  1. 新芽が黄色い場合には答えていません。「下の古い葉から」の記述はありましたが、新しい葉について書かれたものは見つかりませんでした
  2. 肥料が原因かどうかには答えていません。「葉が黄色くなる 肥料」で調べる人がいますが、その関係を書いた記述を見つけられませんでした
  3. 夏に黄色くなる場合も扱っていません。同じ理由です
  4. 原因の一覧は作っていません。出典が3つしか挙げておらず、しかも期間の限定つきです。足りない分を他所から埋めると、出典が引いた線を消すことになります

この情報が、どこから来ているか

2つの出典を使っていますが、「2つが一致している」という関係ではありません。重なっているのは「葉が黄色くなる」という症状名だけで、答えている範囲が違います。

そのうえで、休眠かどうかの判断には室温が関わります。お手元の環境の最低温度は、この記事からは分かりません。10℃という数字は目安として書かれているもので、測っていただく必要があります。

出典: 「葉が黄色くなる、散ってきた......観葉植物の不調はどう対処する?」みんなの趣味の園芸(NHK出版、2021年1月7日。テキスト『趣味の園芸』2021年1月号より)、GardenStory「パキラが枯れる原因は主に7つ! 症状別の詳しい対処法を解説します」(2025年1月25日公開 / 2025年10月19日更新、著者名の記載なし。パキラについての記事です)。