地震に備えた家具の配置|危険になりやすい場所は4つの条件
地震で家具が危険になる場所、東京消防庁の4条件
東京消防庁の資料には、割合の数字が2つ載っています。1つはけがの原因のほうです。近年の地震でけがをした人のうち、約3〜5割が家具類の転倒・落下・移動によるものだった、と書かれています。
もう1つは、階で分けた数字です。こちらは、けがの割合ではありません。東日本大震災のあとに東京都内で行われたアンケート調査で、家具類が転倒・落下・移動した割合を階層別に見たものです。1又は2階(N=214)で16.8%、11階以上(N=36)で47.2%(平成23年、東京消防庁調べ)。そのうち転倒や落下でけがをしたかどうかは、この数字には入っていません。
標本も添えておきます。11階以上はN=36で、4つの区分の中でいちばん少ない数です(1又は2階214、3〜5階202、6〜10階204)。区分ごとに数え方が違うわけではありませんが、47.2%が乗っている土台は36件です。
家具そのものを減らせなくても、置き方を見直すだけでリスクを減らせることがあります。東京消防庁の資料「地震から命を守る家具転対策」(2024年1月発行)は、家具が危険になりやすい場所を4つの条件で整理しています。
東京消防庁が示す、家具が危険になる4つの条件
1. 重心が高い
「重いものを下に収納し、重心を低くすることで倒れにくくしましょう」とされています。収納家具の中身が上のほうに偏っていないか、確認したいポイントです。
2. 出入口・避難通路の周辺
「避難通路、出入口周辺に転倒、移動しやすい家具類を置かないようにしましょう」。倒れた家具でドアが開かなくなると、そのまま避難の妨げになります。玄関やドアの前、部屋を出入りする動線に背の高い家具を置いていないか、確認したいポイントです。
3. 寝る場所・座る場所の近く
資料はこう書いています——「寝る場所」や「座る場所」にはなるべく家具を置かないようにしましょう。置く場合には背の低い家具にするか、家具の置き方を工夫します。就寝中は倒れてきても避けにくいため、特に注意したい条件です。ベッドや布団のそばに背の高い家具がないか、確認したいポイントです。
4. 窓際
「窓際に背の高い家具を配置することは避ける」「窓際には、重量物や転倒・落下・移動しやすい物を置かないようにします」とされています。窓ガラスへの衝突や、外への落下が理由です。窓のそばに置いている家具の高さ・重さを、確認したいポイントです。
配置は、頭の中だけでは分かりにくい
4つの条件を並べて聞くと単純に見えますが、実際の部屋で「出入口からも寝る場所からも窓からも離れている場所」を探すのは、意外と頭の中だけでは把握しにくいものです。壁に穴を開けられない賃貸だと、家具を動かして試すこと自体のハードルも高くなります。
自分の家で確かめるなら、間取りに家具(6種)を置くと、地震で危なくなりやすい場所が4つの条件で分かります。家具の置き方を変えるだけでできる対策を、動かして安全度を上げるところまで確認できます。
4条件のうち、場所を指す3つはそれぞれ1本ずつ記事にしました。出入口と避難通路が家具が避難経路をふさぐ|出入口の近くに置かない理由を読む、寝る場所・座る場所が寝る場所のそばの家具の配置|地震のときに避けにくいと書かれる、窓際が窓際の家具は地震で何が起きるか|危険になる2つの理由を読むです。残る重心は家具の中身の話なので、この記事の中で足ります。
壁に穴を開けられない部屋から始めるなら賃貸の地震対策は何からやるか|穴を開けずに置き方を見直す。家具を固定できないときに収納の中身でできることは家具を固定できないときの対策|収納の中身を下と上で分けるに書きました。
この情報が、どこから来ているか
出典: 「地震から命を守る家具転対策」(東京消防庁ホームページ)東京消防庁防災部震災対策課(発行2024年1月)