地震のあと、エレベーターが動いても乗らない——と書かれている
「地震 エレベーター」で調べると、2番目に出てくるのは「閉じ込め」です。閉じ込められたらどうするか、を知りたくなります。
ただ出典を読むと、閉じ込められる場面は、地震の最中だけではありませんでした。
「地震後にエレベーターが動いても」
地震後にエレベーターが動いても、地震感知センサーの働きや、停電・故障などで緊急停止し、エレベーターに閉じ込められる恐れがあります。(日本エレベーター協会)
エレベーターの利用は、建物等の管理者が安全を確認するまでお待ちください。(同)
動くことと安全であることが、別に書かれています。揺れが収まって、ボタンを押したら動いた——そこが分かれ目になる、という書き方です。
関連して、復帰の条件も書かれています。
強い揺れ(震度4以上程度)を感じて運転を休止した場合は、エレベーターに損傷がない場合でも技術者の点検を受けるまで復帰しません。(同)
「損傷がない場合でも」です。つまり止まっていること自体は、壊れた証拠ではありません。逆に言えば、動いたことも無事の証拠にはならない、という並びになります。
乗っている最中については、1文で書かれている
揺れを感じると最寄階で自動的に停止する安全装置がついたエレベーターもありますが、利用中の方もご自身で “すべての” 行先階ボタンを押し、最初に停止した階で降りてください。(日本エレベーター協会)
「ついたエレベーターもあります」という書き方です。付いている前提にはなっていません。だから利用者側でも押す、という順序になります。
その装置については、同じページがこう説明しています。
エレベーターに取付けられたセンサーが一定の揺れを検知すると、自動的に最寄階に停止し扉を開放し、利用者の避難を促します。(同)
閉じ込められたときに書かれているのは「出るな」
無理に脱出をしようとすると大変危険です。(日本エレベーター協会)
そのうえで、不安を減らす側の記述が2つありました。
なおエレベーターは気密構造ではなく十分な通気性が保たれていますので窒息の心配はありません。(同)
停電などによってエレベーターが停止した場合は、ただちに非常用バッテリーにて非常用照明が点灯しますので、かご内がまっ暗になることはありません。(同)
照明については、時間の下限まで書かれています。
なお法令では30分間以上の点灯が定められています。(同)
「30分間以上」は法令の下限であって、救助までの時間ではありません。出典もそこは結び付けていないので、この記事でも結び付けません。
この装置が義務になったのは、いつからか
国土交通省のページに、経緯が書かれています。
平成17年7月の千葉県北西部地震において発生したエレベーターの閉じ込め事故(国土交通省)
これを含む事故を受けて技術基準が見直され、「(2)地震時管制運転装置の設置義務付け」が政令に入りました。同じページに書かれている施行日は「平成21年9月28日(月)」です。
この記事は、ここから先を書きません。お住まいの建物のエレベーターに付いているかどうかは、建てられた時期や経過措置によって変わり、当サイトが読んだ範囲では判断できません。気になる場合は建物の管理者に確認してください。
この記事が扱っていないこと
- 閉じ込められてからの手順は書きません。出典が書いているのは「出ようとしない」「インターホンで連絡する」までです
- 特定の建物・機種の話は書きません(上記)
- 救助までの時間は書きません。出典に記述がありません
- 備蓄品や防災グッズの商品名は書きません。当サイトも物販で収益を得る側にいます
この情報が、どこから来ているか
出典は2件です。国土交通省(公的機関)と、一般社団法人 日本エレベーター協会。
後者は業界団体です。エレベーターを作り、保守する側が集まった団体であり、中立な第三者ではありません。ただし引いたのは「動いても乗らない」「点検を受けるまで復帰しない」という、利用を勧める向きではない記述です。
引用した文は、2件とも当サイトが実際にページを取得して、本文に同じ文があることを確かめたものです。
出典: 一般社団法人 日本エレベーター協会「昇降機の安全性について|エレベーターの安全対策」、国土交通省「建築:エレベーターの安全に係る技術基準の見直しについて」(いずれも2026年9月5日に取得)。国土交通省のページには、政令の公布日・施行日が記載されています。