防災の備蓄、中身は世帯構成で変わる

備蓄を始めようとすると、まず「何を、どれだけ」で止まります。中身が決まらないと、まとめて買うのか、少しずつ足すのかも決められません。

東京都は、この「何を、どれだけ」について、家族構成と住まいによって変わるという立場を取っています。つまり、誰にでも当てはまる中身の一覧は存在しないということです。

この記事では、その考え方と日数の目安、そして自分の分を出す方法を書きます。具体的な商品や、どこで買うかには踏み込みません。

東京都が勧めているのは「日常備蓄」

東京都は「日常備蓄」という言い方をしています。

「日常備蓄」とは、普段使っている食料品や生活必需品を常に少し多めに備えることで、大規模災害時にライフラインや物流が一定期間機能しなくなった場合でも、それが活用できるという考え方です。この方法は、「普段活用しないものを用意する特別な準備」と考えられてきた従来の備蓄に比べ、管理・継続がより容易にできます。

ここで言われているのは、備蓄を特別な買い物として一度で終わらせるのではなく、普段の買い物の量を少し変えるという話です。理由として挙げられているのは効果ではなく、管理と継続のしやすさです。

日数の目安は「まず3日、その先も」

ライフラインの被害や物資供給の停滞といった事態を踏まえ、まずは3日分を目標に。また、流通が徐々に回復したとしても、必要なものがすぐに入手できるようになるとは限らないことなどから、1週間やその先も見据えた備蓄を意識して進めていきましょう。

3日と1週間という二段になっています。3日で終わりではなく、3日を最初の目標に置いて、そこから伸ばすという書き方です。

その日数が、どこから来ているか

日数の根拠として、東京都は首都直下地震等による被害想定(令和4年5月25日公表)を挙げ、次の事態を想定しています。

3つ目が効いています。ここで想定されているのは避難所へ行く前提ではなく、自宅にいるまま、ライフラインと買い物が止まった状態で暮らすという状況です。備蓄の中身が「持ち出す物」ではなく「家で使う物」に寄るのは、この想定から来ています。

自分の分は、東京都の無料ツールで出せる

品目と数量については、東京都が「東京備蓄ナビ」という無料のツールを公開しています。都の説明はこうです。

必要な備蓄品・数量は家族構成やお住まいによって異なります。●3つの簡単な質問に答えるだけで、自分の家庭に合った備蓄品・数量の目安が分かります。

一人暮らしにも答えます。結果はこの記事には載せません——出力は東京都のもので、同サイトは無断での複製・転用を認めていないためです。ご自身の条件を入れてご確認ください。

東京備蓄ナビ(東京都防災ホームページ)を開く →

もう一点、都が同じページで書いていることを引いておきます。

懐中電灯や充電式ラジオ、カセットコンロなど、災害に備えて準備するものは、実際に使えるか定期的に確認しておくことも重要です。

揃えることと、使える状態であることは別だ、という指摘です。

この情報が、どこから来ているか

限界を3つ書いておきます。

1つ目: この記事の出典は東京都の1系統だけです。複数の機関が同じことを言っている、という書き方はしていません。農林水産省の家庭備蓄ガイドも当たりましたが、本体資料が画像のPDFで原文を機械で照合できなかったため、採っていません。消防庁の地震防災マニュアルには備蓄の記述が見当たりませんでした。

2つ目: 日数の根拠は首都直下地震を前提にした東京都の被害想定です。地域が違えば、想定される事態も日数も変わります。お住まいの自治体が別の目安を出している場合は、そちらが優先します。

3つ目: この記事も、家具の転倒対策を扱った記事も、東京都(東京消防庁・東京都総務局)の資料に依拠しています。当サイトの防災記事のうち、東京都以外の資料を使っているのは、電気火災を扱った記事だけです。

そのうえで、利害についても書いておきます。東京備蓄ナビは、品目をショッピングサイトから購入できる導線を持っていると自ら説明しています。当サイトも物販で収益を得る側にいます。だからこの記事には、買う場所も商品も書いていません。中身を自分で決められれば、買うかどうかは後から決められます。

出典: 「備蓄って何のため?」東京備蓄ナビ(東京都総務局総合防災部防災戦略課)。日数の根拠は同ページが引く「首都直下地震等による東京都の被害想定」(令和4年5月25日公表)。出典は1系統です。