しめ鯖の酢とアニサキス|厚労省は食酢や塩漬けでは死滅しないと書く
厚生労働省の「アニサキス食中毒に関するQ&A」は、Q8の予防の答えの最後に、酢や塩についての注を1行置いていました。一般的な料理で使う程度の食酢や塩漬けでは、幼虫は死滅しない、という注です。
秋はサバやサンマが店に並び、家でしめ鯖を作る人もいます。酢で締めれば寄生虫の心配は減るのか。それを知りたくて、このQ&Aを開きました。頁の日付は「令和元年11月1日最終改正」です。この記事では、アニサキスとは何かを書いたQ1と、予防を書いたQ8・Q9を読みます。
幼虫は、魚が死ぬと内臓から筋肉へ移る
Q1の答えによると、アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、幼虫は白色の少し太い糸のように見える、とあります。寄生する魚介類として、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどが挙げられていました。いる場所は主に内臓の表面です。
同じ答えの3文目が、予防の答えにつながる一文でした。
また、アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。
内臓にいるうちに取り除くか、筋肉に移ってからになるか。Q8の予防の答えは、この時間の話から始まっていました。
家庭での予防は、内臓を速やかに取り除くこと
Q8は「どのように予防すればよいですか?」という問です。答えの1文目はこうでした。
内臓に寄生する幼虫が漁獲後に筋肉へ移行することがあるため、魚を購入する際は新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除いてください。内臓を生で食べないでください。
続けて、魚が生きているときから既に筋肉内にアニサキスが寄生している場合もある、と注意が添えられています。内臓を取れば終わり、という書き方ではありません。調理の時には、目視で確認して幼虫を除去する、という手順が次に書かれていました。
食酢・塩漬け・醤油・わさびでは死滅しない
Q8の答えの最後に、米印の付いた1行があります。
※一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。
しめ鯖の名前は出てきませんが、酢で締める・塩をする、という下ごしらえは、この1行に入ります。刺身に醤油やわさびを付けることも同じ行に並んでいました。
冷凍と加熱の条件は、事業者向けの答えの中にある
では何なら死滅するのか。その条件は、Q8ではなく、次のQ9に書かれていました。Q9の問は「生鮮魚介類を取り扱う事業者は、どのように予防すればいいですか?」です。つまり、次の数は事業者に向けた答えの中の文です。
また、アニサキスは冷凍や加熱で死滅するので、調理をする場合には、-20℃で24時間以上冷凍するか、70℃以上若しくは60℃の場合は1分加熱をしてください。
冷凍は温度と時間の組で書かれています。加熱も、温度と時間の組でした。Q9の答えの1文目は、新鮮な魚を選ぶ・速やかに内臓を取り除く・目視で確認して除去する、とQ8と同じ手順を並べていました。
読み取れなかったこと
家庭の冷凍庫が-20℃に届くかどうかは、このQ&Aには書かれていません。当サイトでも、冷凍庫の温度は書きません。冷凍の条件はQ9(事業者向け)の答えにあり、Q8(家庭向けの書き方の問)には冷凍の数が出てきませんでした。
酢に漬ける時間や塩の量を変えればどうなるか、も書かれていません。米印の行は「一般的な料理で使う」と範囲を付けて書いていました。
この記事が扱っていないこと
- 症状・治療の問(Q6・Q7)は扱いません。体のことは医療機関や頁の該当の問で確かめてください
- 飲食店や販売店の責任と行政処分の問(Q10〜Q12)は扱いません。発生件数と、平成30年に報告が多かった理由の問も扱いません
- 魚の銘柄や冷凍庫・調理器具は比べません。当サイトは商品を選びません
この情報が、どこから来ているか
引いたのは、厚生労働省「アニサキス食中毒に関するQ&A」(令和元年11月1日最終改正)のQ1・Q8・Q9の答えです。数(-20℃で24時間以上・70℃以上・60℃の場合は1分)も同じ頁のQ9からです。引用は頁の文をそのまま写しました。
出典:厚生労働省ホームページ(アニサキス食中毒に関するQ&A)。2026年10月14日に取得して読みました。
この記事は、上の資料をもとに、カルットが要約して作成しました。引用の部分は資料の文のままです。