観葉植物の葉焼けは、置き場所より「移し方」で起きる
日光が足りないと思って窓辺やベランダに出したら、数日で葉が白く抜けた、茶色くなった——という失敗があります。この記事で分かるのは次の3つです。
- 葉焼けの引き金として、2つの情報源が一致して挙げているものは何か
- 「徐々に慣らす」の期間の目安が、情報源ごとに食い違っていること(5日単位 / 1〜2週間 / 1か月)
- すでに焼けてしまった葉をどう扱うか(こちらは裏づけが1系統しかありません)
葉焼けは「光が強すぎた」だけの話ではない
園芸メディア GardenStory の、園芸のプロによる解説記事に、次の記述があります。
「葉焼けする直接の原因としては、葉面温度の上昇があります。」
「光の強さだけが葉焼けを起こす原因と考える人が多いようですが、それは誤った認識です。葉焼けは光の強さだけでなく、気温や風なども要因となります。また、水不足などのストレスによっても影響を受けて発生します。」
同記事は、葉焼けを起こす原因を5つ挙げています——光の強さ / 気温 / 風 / ストレス(水不足他) / 急な移動。原因が「光」ではなく「葉の表面温度」に置かれているため、光が同じでも、風がない・気温が高い・水が足りない条件では焼ける、という説明になります。
同記事は、その一例として次のようにも書いています。
「夏の屋外の日向では葉焼けしない植物も、閉め切った室内の日向では、すべて葉焼けします。」
室内だから安全、ではないということです。ただしこの一文は、この記事にしか見当たりませんでした(1つの情報源だけの記述です)。
2つの情報源が一致して挙げているのは「急な移動」
運営の異なる2つの情報源が、同じ向きの記述をしています。
GardenStory:
「日光を好む種類でも、暗い場所で適応した株を急に強い直射日光に当てると葉焼けします。また買ってきたばかりの植物も日陰に適応している場合が多いので、注意してください。」
HORTI by GreenSnap:
「普段から室内で育てている植物を急に強烈な直射日光が当たるような場所に置いてはいけません。」
つまり置き場所そのものより、そこへ移す速さが問われています。GardenStory は「日光浴」をすすめる記事に名指しで注意を促してもいます。
「暗い日陰から明るい日陰への移動ならよいですが、直射日光が当たる場所への急な移動は厳禁です。」
ただし「どのくらいかけて慣らすか」は食い違う
ここが、この記事でいちばん正直に書いておきたいところです。慣らす期間の目安は、情報源によって違います。
| 情報源 | 慣らし方の目安 |
|---|---|
| GardenStory | 1か月くらいかけて、朝の直射日光から徐々に |
| HORTI by GreenSnap | 1〜2週間のスパンで、窓際 → 軒下 → 木陰などと段階を踏む |
| GreenSnap | 5日単位で日当たりのいい場所へ少しずつ寄せる |
原文はそれぞれ次のとおりです。
「日向に移動する場合は、1カ月くらいかけて、葉焼けしにくい朝の直射日光から徐々に慣らすようにしてください。」(GardenStory)
「1日や2日置いたところではすぐに順応しませんので、できれば1週間~2週間ぐらいのスパンでゆっくりと環境に馴染ませるようにしましょう。」(HORTI by GreenSnap)
「ずっと日当たりの悪い場所においていた観葉植物は、葉緑素が減少しているので、いきなり日当たりのいい場所に移動させると葉焼けを起こしてしまいます。このようなときは、5日単位で日当たりのいい場所に少しずつ寄せていき、段階を踏んで葉緑素を増やしていく必要があります。」(GreenSnap)
数字は3倍以上の開きがあります。どれが正しいかを判定できる材料は、こちらにはありません。一致しているのは「1日2日では足りない」「段階を踏む」という点までで、日数は幅として受け取るのが妥当だと考えています。
なお、後者2つ(HORTI by GreenSnap と GreenSnap)は同じ運営の媒体です。数としては3記事ですが、独立した情報源としては2系統として扱っています。
すでに焼けた葉はどうするか(裏づけは1系統)
この点について記述が見つかったのは GreenSnap の記事だけでした。
「植物が葉焼けした場合、緑の葉っぱに戻すことはほぼ不可能といってもいいでしょう。」
「葉焼けで崩壊した組織をそのままにしておくと、余分に体力を使ってしまって弱るので、葉焼けした部分は切って取り除くのがおすすめです。」
1つの情報源にしか書かれていない話なので、この記事の他の部分より裏づけは弱いです。そのうえで、「焼けた葉は元に戻らない」とすれば、判断の重心は残っている葉を守る側に置くことになります。
今日できる1手
症状が出ているなら、今より1段階だけ暗い側に戻すのが最初の1手です。直射日光が当たる場所なら、レースのカーテン越しの窓辺へ。屋外に出しているなら、屋根や木陰のある場所へ。まとめて何段階も動かさないのは、急な環境の変化そのものが原因として挙げられているためです。
この記事が答えていないこと
- 品種ごとに、どのくらいの光が適量かは扱っていません。GardenStory は日向を好む種類を列挙していますが、手元の株がそれに当たるかの判定はしていません
- 回復までの日数は書けません。どの情報源にも、焼けた株が立て直るまでの期間の記述は見つかりませんでした
- 葉水・打ち水の是非は書いていません。ここは情報源の説明が食い違っています(暑さ対策として葉水・打ち水を挙げる記述と、日中の葉水を避けるようにという記述の両方があります)。共通しているのは「気温が高い日中を避け、朝夕に行う」という点までなので、そこだけを書いています
また、風の当たり方も葉焼けの要因として挙げられています。エアコンの風については「エアコンの風が直接当たらないように」と書いていたのは、シダ植物の記事だったで扱っています。葉の傷みが日光ではなく水やりに由来する場合もあるので、迷ったら観葉植物が枯れる理由、まず疑いたいのは「水やり」もあわせてご覧ください。
出典: GardenStory(ガーデンストーリー)「【プロが解説】葉焼けの原因を解説! 誤解の多い植物の置き場所を正しく理解しよう」2023年6月8日公開・2023年11月5日更新。運営は株式会社タカショーと株式会社3and gardenの共同運営で、サイト内に自社ウェブショップ・商品紹介の導線があります / HORTI by GreenSnap「葉焼けとは?観葉植物が葉やけしたらどうする?」2023年3月29日、HORTI編集部 / GreenSnap「植物が葉焼けしたらどうする?原因と対策方法は?切るべき?」2021年6月29日公開・2022年1月6日更新。後者2つは同一運営の媒体で、広告掲載があります。いずれも公的機関の資料ではありません。