自転車でイヤホンを使う時|警察庁の通達は片耳か両耳かを問わないと書く

警察庁の通達(令和5年7月25日)は、イヤホン等を片耳に着けているか両耳かといった使用形態にかかわらず、安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態かどうかで判断する必要がある、と書いていました。同じ通達は、決まりの趣旨を、イヤホン等の使用そのものを禁止することではない、と書いています。

自転車でイヤホンを使う時、何を見て判断されるのか。警察庁の「イヤホン又はヘッドホンを使用した自転車利用者に対する交通指導取締り上の留意事項等について(通達)」は、各都道府県の警察に向けて、取締りの時の考え方を書いた文書です。決まりの本体は都道府県の公安委員会規則で、通達は、その決まりの趣旨と判断の仕方を書いていました。今回は、通達の書き方を順に並べました。

イヤホンの音量を、場面ごとにWHOの目安と並べる →

先に: この記事は、通達の書き方を並べるところまで

使ってよいかどうかは、この記事では決めません。決まりの本体は都道府県ごとの公安委員会規則で、この記事では規則の本文を読んでいません。罰則も扱いません。

決まりのもと: 公安委員会規則の規定

通達は、道路交通法の第71条第6号が、運転者の守る事柄を定める権限を都道府県公安委員会に委任している、と書いたあと、こう続けます。

これに基づき、都道府県公安委員会規則(以下「公安委員会規則」という。)において、運転者の遵守事項として、イヤホン又はヘッドホン(以下「イヤホン等」という。)を使用するなどして安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で車両等を運転してはならない旨の規定(以下「規定」という。)が設けられている。

決まりの文は、イヤホン等を使うことではなく、音又は声が聞こえない状態で運転することを書いていました。

片耳か両耳か: 使用形態にかかわらず

通達は、片耳と両耳の扱いを、こう書いています。

イヤホン等の使用については、規定の趣旨を踏まえ、装着しているのが片耳のみであるか、両耳であるかといった使用形態にかかわらず、運転者が安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態であるかどうかをもって違反の成否を判断する必要があること

片耳なら、両耳なら、という分け方ではなく、聞こえるかどうかで判断する、という書き方でした。

規定の趣旨: 使用そのものの禁止ではない

通達の「指導取締り上の留意事項」は、規定の趣旨をこう書いています。

法第71条第6号の委任を受け、公安委員会規則において定めている規定の趣旨は、自転車利用時のイヤホン等の使用そのものを禁止することではなく、イヤホン等を使用して安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自転車を運転する行為を禁止することであると承知している。

片耳・低い音量・耳を塞がない形のイヤホン

同じ項は、周りの音が聞こえている場合の例を挙げています。

イヤホン等を片耳のみに装着している場合や、両耳に装着している場合であっても極めて低い音量で使用している場合等には、周囲の音又は声が聞こえている可能性がある

続けて、オープンイヤー型イヤホンや骨伝導型イヤホンは、装着時に利用者の耳を完全には塞がず、その性能や音量等によっては、使用中にも周囲の音又は声を聞くことが可能で、必ずしも自転車の安全な運転に支障を及ぼすとは限らない、と書いています。「可能性がある」「とは限らない」という書き方で、使ってよいとは書いていませんでした。

判断の仕方: 外形的事実だけで決めない

通達は、取締りの時の判断の仕方を、こう書いています。

イヤホン等の使用という外形的事実のみに着目して画一的に違反の成否を判断するのではなく

その例として、警察官が声掛けをした時の運転者の反応を確かめたり、イヤホン等の提示を求めて、その形状や音量等から、周囲の音又は声が聞こえない状態になるかどうかを確かめたりする、と書かれていました。着けているかどうかだけではなく、その場の聞こえ方を確かめる、という書き方でした。

通達の4つの項目

通達の「記」は、4つの項目でした。

  1. 指導取締り上の留意事項
  2. 指導取締りに従事する警察官に対する指導教養の徹底
  3. 広報啓発活動等の実施
  4. 規定の趣旨の周知徹底に向けた規定の見直し

4つ目の項目は、必要が認められる場合には、規定からイヤホン等を例示する文言を削除することも含めて、見直しを検討するよう書いていました。

自転車でイヤホンを使う前に確かめる3つ

通達の書き方を、読む順に並べると、確かめることは3つです。

  1. 決まりの本体は、住んでいる都道府県の公安委員会規則
  2. 片耳か両耳かではなく、安全な運転に必要な音又は声が聞こえる状態かどうか
  3. 判断は、着けているかどうかだけでなく、声掛けへの反応や音量等を確かめて、と通達は書く

場面ごとの音量と時間を入れて確かめる

自転車とは別の話として、イヤホンで聴く場面ごとに、1日に聴く時間と週の日数、音量の目盛りを入れると、WHOの目安と並べて出すツールを置いています。

イヤホンの音量を、場面ごとにWHOの目安と並べる →

読み取れなかったこと

住んでいる都道府県の公安委員会規則の本文は、この通達には書かれていませんでした。どのくらいの音量なら聞こえる状態か、という数も書かれていません。

この記事が扱っていないこと

  1. 罰則は扱いません
  2. 自動車やバイクの運転は扱いません
  3. イヤホンの製品は比べません

この情報が、どこから来ているか

出典: 警察庁「イヤホン又はヘッドホンを使用した自転車利用者に対する交通指導取締り上の留意事項等について(通達)」(令和5年7月25日・PDF)。2026年9月26日に取得して読みました。