長周期地震動の家具対策|挙がっているのは照明・水・引き出し

ゆっくり長く揺れるときの節は3つ。同じ資料に「高さや重さの基準はありません」と書いてある

東京消防庁のハンドブックに、「大きくゆっくりとした周期の長い揺れに対する家具類への対策」という節があります。名前が長いので後回しにしていたのですが、開いてみると挙がっているものが3つだけで、しかも家具らしくないものが並んでいました。

まず、節の形を数えた

PDFから機械で取り出した本文で数えると、この節は534字。行頭の「○」が3つ、その下の「・」が7つです。3つはこうです。

数えたのは行頭に付いた「・」だけです。文の途中の中黒(図の説明の「揺れ・落下防止」など)は項目ではないので、数に入れていません。

タンスや本棚は、ここには出てきません。別の節で扱われています。

照明は、落ちる前に天井に当たる

大きく揺らされることによって天井に衝突し、落下する危険があります。(東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」)

落ちる、の前に、当たる、が書いてあります。対策はワイヤー固定等で揺れを防止しましょう、まで。図には、天井にヒートンを打ち、ワイヤーなどで連結する、と添えられています。

水をためるものには、注が付いている

中の水がスロッシング※を起こすと、水槽の重心が大きく変動を繰り返して転倒する危険が大きくなります。(同)

この節で唯一、語に※が付いて注が用意されているのがスロッシングです。

スロッシングとは、地震などの外力によって、水槽の液面が動揺する現象です。(同)

対策の行も、1つでは終わりません。

水槽と台を固定するだけではなく、台を壁と固定しましょう。(同)

ここでも留める相手が2つです。水槽と台、台と壁。テレビの節と同じ形でした。

なお「ウォーターサーバー」という語は、冊子全体で1件だけです。この見出しにしか出てきません。中身の対策の行は、水槽の言葉で書かれています。

引き出しは、飛び出すと重心が前に偏る

引き出し方向と揺れの方向が一致した場合に引き出しが飛び出すことによって、重心位置が移動し、転倒します。(同)

揺れの向きと引き出しの向きが合ったとき、という条件が付いています。対策は3つ——なるべく重いものを収納しない、ラッチが付いているものを選ぶ、そして次の1行です。

★ 「確実に」は、冊子の中で1回しか出てこない —— ただし図の説明だった

家具の高さに関わらず転倒防止対策を確実に実施しましょう。(同)

取り出した本文を機械で数えると、「確実に」はこの1件だけでした。冊子はふつう「重要です」「しましょう」で終わります。その中で、この1文だけが語を変えています。

ただし、この文は引き出しの項目の中にある「・」の行ではありません。版面(レイアウトされた誌面)を見ると、項目の下に置かれたたんすの図に添えられた説明です。同じ図には「引き出しが前に飛び出すことによって重心が前に偏り、転倒する可能性があります。」「ラッチ付きの物を選択する。」も説明として付いています。

引き出しの項目そのものは「・」の3行——揺れの向きと引き出しの向きが一致したときに転倒すること、なるべく重いものを収納しないこと、ラッチが付いているものを選ぶこと——までです。「確実に」は、その3行の外に置かれています。

高さの話は、同じ冊子の質問の節にも出てきます。

対策を実施しなくてはならない家具の高さや重さの基準はありません。(同)

理由も続けて書かれています。家具の形状や、収容物による重心の違い、発生する地震の特徴等によりどの家具が倒れるとは一概に言えないから、と。基準が無いことを、無いと書いている資料です。

ちなみに「重心」は冊子全体で9件。この節の3つのうち2つ(水槽・引き出し)が重心の話で、残る1つ(照明)だけが衝突の話でした。

自分の家のどれに当たるか

この節は、背の高い家具を持っているかどうかとは別の線で引かれています。当てはまるかどうかは、次で決まります。

  1. 天井から吊り下げているものがあるか(照明)
  2. 水をためているものがあるか(水槽・ウォーターサーバー)。台に載せているなら、台と壁の間も見ることになります
  3. 引き出しのある収納家具があるか。その引き出しは、どちらを向いているか

置き場所の側から家の中を見たい場合は、間取りの図に家具を置いて、資料の条件に当たる場所を絞る間取り×防災チェックを置いています。

読み取れなかったこと

「大きくゆっくりとした周期の長い揺れ」が、どれくらいの周期を指すのかは書かれていません。秒数の目安は、この節に出てきません。

3つ以外のものがこの揺れで危ないかどうかも書かれていません。この節に挙がっているのが3つだ、というところまでです。

引き出しの向きをどう確かめるかも書かれていません。揺れの方向が事前に分からない以上、向きの合わせ方は決まらない、とも読めますが、資料はそこまで書いていません。

この記事が扱っていないこと

  1. 商品は選びません。器具の名前は資料の分類で、銘柄の話ではありません
  2. 取り付けの手順は書きません。器具の付け方は、この節ではなく別の頁に置かれています
  3. 動くほうの対策は、別に書いています——地震のときの家具の移動防止|キャスター・頻度・床材で変わる
  4. 家電製品は別の節です——電子レンジの地震対策|固定する相手は本体とレンジ台の2つ

この情報が、どこから来ているか

出典は1系統です。東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」(令和6年1月)を、2026年9月15日に取得して読みました。公的機関の資料です。当サイトの家具と家電の記事は、いずれもこの同じ資料に依拠しており、この記事でも系統は増えていません。

読んだのはPDFで、しかも本文を機械で取り出したテキストです。版面(レイアウトされた誌面)そのものを読んだわけではありません。取り出しは2つの抽出器(pdfminer と pypdf)で行い、両方が同じ行として返したものだけを読んでいます。今回は44頁ぶん1,336行すべてが、両方で取れた行でした。字数と件数は、その取り出した本文に対する機械の検索で数えています。読んだのは19頁の節と、巻末の質問の節です。

出典: 「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック — 地震から命を守る家具転対策」東京消防庁防災部震災対策課(令和6年1月。2026年9月15日に取得)。PDFから機械的に取り出したテキストであり、版面そのものではありません。出典は1系統です。

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