本が読めないのは、時間の取られ方に理由があるかもしれない

「読もうと思って買ったのに、読めていない」。この状態を、自分の意志や集中力の問題だと考えている人は多いかもしれません。ただ、公的な調査を見ると、読む時間そのものが別のものに取られている、という回答が最も多くなっています。

読書量が減っている人は約7割

文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」に、次の結果があります。

読書量は割合
減っている69.1%
それほど変わっていない24.5%
増えている5.5%

約7割が「減っている」と答えています。

減っている理由の1位は「情報機器で時間が取られる」

この調査では、「読書量は減っている」と答えた人(全体の69.1%)に、その理由を二つまで選ぶ形で聞いています。結果は次のとおりです。

理由割合
情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機等)で時間が取られる43.6%
仕事や勉強が忙しくて読む時間がない38.9%
視力など健康上の理由31.2%
テレビの方が魅力的である19.8%

上位2つは、どちらも「読む力」ではなく「読む時間」の話です。読めていない理由として最も多く挙げられたのは、読解力でも集中力でもなく、時間が別のものに取られていることでした。

3番目の「視力など健康上の理由」が31.2%と、決して低くないことも目を引きます。

この数字を読むときの注意

3つ、書いておきます。

  1. 上の表の母数は「読書量は減っている」と答えた人(全体の69.1%)であり、回答者全体ではありません
  2. 二つまで回答できる形式のため、割合の合計は100%を超えます
  3. この調査で「本」とは電子書籍を含み、雑誌や漫画は除いたものを指します

「本を読まない」が6割台という数字もある

同じ調査では、1か月に読む本の冊数も聞いています。「読まない」が62.6%でした。この数字の背景と、過去との比較で注意すべき点は1か月に本を読まない人は6割台。ただし、この数字は過去と単純に比べられないで紹介しています(この2本は同じ出典調査の、別の設問を扱っています)。

買い方の側から見ると

読む時間の話とは別に、そもそも本が増えていく側にも理由があります。積読はなぜ増えるのか。「読めない」ではなく「買い方」に理由があったでは、買い方のパターンから積読を見ています。時間が取られている話と、買い方の話は、どちらも「意志が弱いから読めない」という説明とは別の見方です。

読み始めるところでつまずいている場合は、積読の崩し方。いきなり「読む」を目標にしないほうがうまくいく理由もあわせてご覧ください。

出典: 文化庁「令和5年度『国語に関する世論調査』の結果の概要」(調査時期: 令和6年1月16日〜3月13日、全国16歳以上6,000人対象、有効回答3,559人、郵送法)