冬用タイヤのプラットホーム|国交省の注は新品時の50%で現れると書く

国土交通省の報道発表は、国内メーカー等の冬用タイヤでは、溝の深さが新品時の50%まですり減るとプラットホームが溝の表面に現れる、と注に書いていました。注は、これを国の数としてではなく、「使用限度の目安」として書いています。

冬用タイヤの溝は、どこまで減ったら冬用として替えるのか。よく聞く50%という数は、誰が決めたものなのか。国土交通省の報道発表(令和3年1月26日)は、この数に注で触れています。本文を読むと、決まりの相手はバス・トラック運送事業者で、50%はメーカー等の目安を説明した注でした。今回は、報道発表の本文と注を、溝の1.6mmの線と並べました。

先に: 報道発表の決まりの相手は、バス・トラック運送事業者

報道発表の冒頭は、こう書いています。

バス・トラック運送事業者は、雪道において適正な冬用タイヤを使用していることを確認しなければならないこととしました。

改正の概要に挙がっているのは、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」と「旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について」の2つの一部改正です。整備管理者の行は、こうでした。

整備管理者は、雪道を走行する自動車のタイヤについて、溝の深さがタイヤ製作者の推奨する使用限度※よりもすり減っていないことを確認しなければなりません。

使用限度を決めているのは「タイヤ製作者の推奨」で、それを確かめるのは運送事業者の整備管理者、という書き方でした。自家用の乗用車の使用者には、道路運送車両法の第47条が、保安基準に適合するように維持することを求めています。この記事は、報道発表と3つの文書に書かれていることを並べるところまでです。

50%の注: 2つの断りつき

使用限度の※は、本文の下にこう書かれています。

※国内メーカー等の冬用タイヤでは、使用限度の目安として、溝の深さが新品時の50%まですり減った際にプラットホームが溝部分の表面に現れます。

「国内メーカー等の冬用タイヤでは」と「使用限度の目安として」の、2つの断りが付いていました。50%は、乗用車の使用者に国が決めた線としては書かれていません。50%が何mmにあたるかは、注には書かれていませんでした。

1.6mmの行は、冬用と夏用を分けていない

自動車技術総合機構の審査事務規程にある溝の行は、空気入ゴムタイヤについての行で、夏用と冬用を分けていません。深さを見る場所からは、プラットホームの部分が除かれています。

空気入ゴムタイヤの接地部の全幅(ラグ型タイヤにあっては、空気入ゴムタイヤの接地部の左右の最外側から中心方向にそれぞれ全幅の4分の1)にわたり滑り止めのために施されている凹部(サイピング、プラットフォーム及びウエア・インジケータの部分を除く。)のいずれの部分においても1.6mm(二輪自動車及び側車付二輪自動車に備えるものにあっては、0.8mm)以上の深さを有すること。

深さを見る凹部からはプラットフォームの部分が除かれていて、残りのいずれの部分も1.6mm以上です。

2つの印: プラットホームとスリップ・サイン

国土交通省の日常点検の頁は、もう1つの印を、こう説明しています。

スリップ・サインは、タイヤの溝の深さが1.6ミリ以下になると現れます。

報道発表の注と並べると、冬用タイヤには、現れる深さの違う2つの印が書かれていることになります。

印現れるとき書いている文書どういう線か
プラットホーム溝が新品時の50%まですり減ったとき(国内メーカー等の冬用タイヤ)報道発表の注使用限度の目安
スリップ・サイン溝の深さが1.6ミリ以下になったとき日常点検の頁1.6mmの印
(数の行)溝はいずれの部分も1.6mm以上審査事務規程保安基準の告示の数を写した審査の文

50%・1.6mm・0.8mmは文書に書かれている数で、2つの印という数は当サイトが並べたものです。

冬の前に確かめる3つ

報道発表と3つの文書の書き方を、冬の前の順に並べると、確かめることは3つです。

  1. 溝の1.6mm。スリップ・サインが現れていないか、4本とも見る。1本でも1.6mmに届いていなければ、その1本を替えるまで運転しない
  2. プラットホームが出ていないか。国内メーカー等の冬用タイヤの、使用限度の目安
  3. 出ているなら、冬用として替えるかを店で相談する。使用限度はタイヤ製作者の推奨と書かれている

夏用か冬用かを選んで確かめる

夏タイヤか冬用タイヤかを選び、4本それぞれの溝の深さか、スリップ・サインが出ているかを入れると、1.6mmの線と並べて出すツールを置いています。冬用タイヤでは、プラットホームが出ているかも並べます。

タイヤの溝を4本測って、国の線(1.6mm)と並べる →

読み取れなかったこと

冬用タイヤを何年で替えるかは、どの文書にも書かれていません。

国内メーカー等のもの以外の冬用タイヤで、プラットホームがどこで現れるかも、報道発表の注には書かれていません。注は「国内メーカー等の冬用タイヤでは」と断っていました。

この記事が扱っていないこと

  1. 冬用タイヤの製品は比べません
  2. バス・トラック運送事業者の点検の手順は扱いません
  3. 雪道の走り方と、チェーン規制は扱いません

この情報が、どこから来ているか

出典: 国土交通省「冬用タイヤの安全性を確認することをルール化しました」(報道発表・令和3年1月26日)、独立行政法人自動車技術総合機構「審査事務規程」の「7-11,8-11 走行装置」(PDF)、国土交通省 自動車総合安全情報「日常点検」、「道路運送車両法」(昭和二十六年法律第百八十五号・e-Gov 法令検索)。いずれも2026年9月25日に取得して読みました。